最近は、さまざまなメーカーから出されているゲーミングノートPC。
たくさん機種が販売されているため、デザインからスペック、値段まで非常に多くの選択肢があり、選ぶのに困ることは少ないと思います。逆に、選択肢が多すぎてなにがいいのかわからなくなることも・・・。
とくにパソコンというのは買い物としては非常に高価な部類にはいるので、できるだけ自分にとって今選べる最高のものを選びたいはず。
また、人によってゲーミングノートPCがオススメだったり、オススメできない場合があります。
なので、簡単に「自分の出せる価格的にCPU・GPU性能のいいものが一番!」と思ってしまうのはよくありません。
実際、私ははじめてノートパソコンを購入したときに、価格とCPU性能ばかり見ていてほかのことはたいして気におらず、結果あとから後悔しました。今思うと、私の選び方はオススメしないですね。
というのも、パソコン(とくにノートパソコン)選びというのはやっかいで「大は小を兼ねる」こともあれば、「小は大を兼ねる」ということだってあります。
もしかしたら、そこでゲーミングノートPCという選択はあなたにとってはあまりよくないものかもしれません。
そこで今回は、PC選びの時に知っておきたいゲーミングノートPCのメリット・デメリットをそれぞれ紹介したいと思います。
メリット
一般的なノートPCではできないようなゲームがプレイできる
ゲーミングノートの一番の特徴、そして魅力といえば名前の通り、ゲームができることでしょう。
最近はPCのゲーム性能が飛躍的に上昇し、製品によってはNintendo SwitchやXbox、そしてPS4といった家庭用ゲーム機よりもはるかに高い性能を発揮します。
また、SteamなどでPS4やXboxで配信されたゲーム以外にもたくさんゲームをプレイできます。
ゲームをプレイするために必要な周辺機器(キーボードやマウス、ヘッドセット等)も、たくさんの種類が販売されているので自分にあった製品をみつけて遊ぶこともきっとできるでしょう。
ところが、一般的なノートPCは最近はやりのPUBGやFortnite(フォートナイト)といったFPSなど、グラフィックが綺麗なゲーム(とくに3Dのゲーム)をプレイすることは難しいです。厳密にはプレイすることはできるのですが、画面がめちゃくちゃカクカクしたり、ラグがあったりととてもじゃないですが遊ぶことはできないです。
ただ、一般的なノートPCでも2Dのゲームやノベルゲームといった、負荷のあまりかからないゲームは大抵快適に遊ぶことができます。
動画編集を快適に行える
動画配信サービスが増えてきた今、自分も動画編集をしたい!という方も増えてきていると思います。
とくに、ゲーミングノートを買うと、そこでゲームをした様子を動画として配信したいという欲求も出てくるかもしれません。
動画編集した最後のエンコードはほとんどの場合、使っているPCの性能の限界ギリギリまで使います。
また、動画編集は比較的長時間エンコードをすることも多いため、PCのスペックが作業時間に大きく影響を与えることになります。PCの性能によってエンコード時間は何倍にもなったり。
もちろん、そのエンコード中はパソコンがフル稼働している状態なのでほかの作業をしようにも負荷のかかることはできません(ウェブサーフィン程度なら問題ないと思いますが)。またエンコード中にほかの作業をしただけ、エンコード時間も長くなります。
これだと、作業効率がどんどん落ちてしまいますよね。
そういった方はゲーミングPC(もしくは動画編集等に最適なパソコン)が向いています。
3D CGやCADが快適に
3D CGや3DCADもPC性能によって作業効率が大きく左右されます。
モデリング中も性能が足りないと、カクカクしてしまい非常にストレスがかかります。また、同様に一部のパーツがうまく画面に出力されなかったりということもあります。
そして、レンダリングももちろん出力したいものにもよりますが、動画編集と同様に長時間かかることがおおいです。
作業中にストレスを感じると、さらに作業効率が落ちてしまう原因にもなるので、なるべく感じないようなPCを選びたいですね。
いろんなところに持ち運んで重たい作業を行える
ノートPCなので、さまざまなところに持ち運んで作業を行うことができます。
また、家で行って中断した作業をそのまま出先で続けられるというのも大きいです。
ゲーミングPCでもあり、ノートPCでもあるといったことから、家や外といったどこでもゲームをすることができるというのが魅力的に感じてゲーミングノートPCを選ぶ人がかなり多いでしょう。
1つ買うだけで、高性能なデスクトップPCに匹敵するスペックと、どこへでも持ち運べるノートPCが手に入る、そんなお得感も感じることができます。
デメリット
「大は小を兼ねる」という考え方だと、
- 性能が高い
- ノートPCとして持ち運べる
といった特徴をもったゲーミングノートPCは死角がないように思うかもしれません。
ただ、残念ながらゲーミングノートPCにも大きなデメリットが存在しています。
デスクトップPCのように、一部のパーツのアップデートができない。
パソコンのパーツ、とくにそのパソコンの性能を決める中心てきな要素であるCPUやGPUは、基本的にはノートPC(ゲーミングノートPCも)では交換をすることができません。ハードウェア的な性能を向上させたいなら、またすべて買いなおす必要があります。
とくに、CPUやGPUは世代交代の頻度も短く、世代交代による性能の向上が著しいです。
新しいものが出てしまうとゲームでのフレームレートを高くしたくなったり、動画編集のエンコード時間を短くしたくなったりすることも多いです。そういったときに、毎回高額なゲーミングノートPCを買っていては財布が大変です。
一般的なデスクトップPCでは、後から性能の上げたいパーツのみを交換することも可能ですし、パーツを追加することも比較的容易となっています。
熱くなりやすい
一般的なノートPCに比べて性能の高いゲーミングノートPCは、その分発熱をしてPC内部の温度が高いです。とくに、ゲーム中や動画編集をしているときなど、PCにかかっている負荷が高いときはかなり熱を発しています。
スマホなどで、ゲームをしていると本体が熱をもった経験がある人も多いのではないでしょうか。
本体の温度が高いまま、作業を続けるとPCも自分を守るために本来出せるはずの性能を抑えて稼働するようになります。
一般的にデスクトップPCよりもゲーミングノートPC方は排熱機構が弱いため、熱がこもりやすいです。もし同じスペックでも実際に出せるスペックが違うのなら、そんなのもったいないですよね。
そんな、PCが熱をもっているなか、場所がないからと膝や太ももの上で作業していると、低温やけどになる原因です。自分は大丈夫と思っていても、長時間乗せていると低温やけどになりやすく、油断は禁物です。
また、発熱が大きい分、ファンが回る音も大きくなるのでかなりうるさく感じます。
バッテリーの持ちがわるい
上の「熱くなりやすい」と同じ理由で、一般的なノートPCに比べて性能の高いゲーミングノートPCは、その分電力消費が大きいです。なので、外でバッテリー給電を使っていると、みるみるうちにバッテリー残量が減っていき、続けて使うには充電をしなければいけません。
結構これがストレスで、作業が途中で終わってしまったりすると気分は最悪。
基本的に各メーカーが公表しているバッテリー持続時間には、通常使っていて達することはないでしょう。PCに負荷のかかる作業をしていると、バッテリーが半分の時間ももたないこともあります。
できるだけ出先でもコンセントが必要になり、コンセントを探す手間も増えます。
ゲーミングノートPCよりも、性能の抑えられたノートPCは低電力のため長時間バッテリーが持ち、長い時間作業を続けることが可能です。ノートPCや使い方によっては、一日中外でパソコンを持って出歩いていても、コンセントを気にせず作業を行うことができるでしょう。
持ち運びが不便
ゲーミングノートPCは基本的に同じ画面サイズのノートPCよりも大きく、そして重くなります。
それは主に
- 発熱を軽減するために、排熱スペースを確保したり機構をつけたりする必要がある
- バッテリーの持続時間をできるだけよくするために、より多くのバッテリーがつまれる
この2つが大きな原因です。
大きく、重たいと持ち運びをすることに対して遠慮がちになってしまい、外に持ち運ぶことがすくなくなってしまいます。ノートPCであるにもかかわらず本来想定されている用途で使わないのはもったいないですよね。
とくに最近はノートPCの軽量化が進んでいて、画面サイズが13.3インチのものであれば1キロ前後のものも多いです。中にはLIFEBOOK UHシリーズのように、700gを切っている製品もあります。
もちろん、一昔前と比べるとゲーミングノートPCも軽くはなりましたが、それでもまだまだかないません。
また、先ほどノートパソコンの例で13.3インチを紹介しましたが、ゲーミングノートはほとんど15インチ以上で非常に大きいです。これはディスプレイサイズが大きいほど、目で認識できる情報の量が増えるから。ゲームや映像制作では重要視される部分ですが、持ち運びとなるとデメリットになってしまいます。
さらに、液晶のフレームも太いため13.3インチのノートPCよりもさらに大きく感じることでしょう。
「大は小を兼ねる」といいますが、持ち運びに関しては小の方が大の方を兼ねていますね。
さいごに
どんなものにも長所と短所があるように、ゲーミングノートPCにも素晴らしい長所だけでなく短所があります。
買ってから後悔しないように、今わかる範囲で自分はどのような用途でパソコンを使おうとしているのか把握することが大切です。
もしかしたら、ゲーミングノートPC1つにまとめるのではなく、ノートPCとデスクトップPCに分けるということも考えてみるといいかもしれません。
それに、たくさん検討した結果ならどのような結果であれ最善を尽くしたことは確かですし、その時の選択に自信を持てるでしょう。