私たちのパソコン利用において、直感的な操作を提供してくれるポインティングデバイス。
今現在、ほとんどのパソコン利用者はマウス、もしくはノートPCに備え付けてあるトラックパッドをポインティングデバイスとして使っているのと思います。
ただ、ポインティングデバイスにはマウス、トラックパッドにも引けを取らない魅力を持っている「トラックボール」。
今回は、トラックボールのメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット
私を含め、トラックボール愛好者がいなくならないのはトラックボールにもたくさんの利点が存在しているから。
また、トラックボールってパソコン上級者が使っているようなイメージがありませんか?
とくにトラックボールは、PCを比較的長時間使用される方がその分メリットを感じるんですよね。
そんなトラックボールのメリットを5つ紹介します。
動かすのは指だけ!
ほかに比べて圧倒的に疲労しない!
トラックボールといえば、その名の通りボールを使用してカーソルの操作を行うポインティングデバイス。
ボールは手先(指)だけで動かします。
そのためマウスと違い、操作時は腕やひじ、さらには手首も動かず長時間作業をしたときに感じる疲労を軽減してくれます。
また、手首を動かさないので腱鞘炎の予防や、腱鞘炎になった後でも快適にカーソルの操作を行うことができます。
私もマウスを使っていた頃は、長時間使用すると手首が痛くなり、あまりよくない状態でした。
しかし、トラックボールを使うようになってからは、マウスを使っていた頃よりもパソコンを触る時間が増えていますがそういった痛みを感じることはなくなりました!
必要なスペースはトラックボールの大きさだけ
快適に操作をするためには、ある程度のスペースの広さを確保しなければならないマウス。
しかし、ボールを指で転がすようにして、カーソルを動かすためマウスと違いトラックボールは、トラックパッドのように自分の大きさ分のスペースしか必要としません。
とっても省スペースです。
また、広さを必要としない分キーボードとポインティングデバイスの距離が近くなるため、操作を切り替える際に生じる腕の移動が短くなります。
そういったことでも、トラックボールは体の疲労を軽減してくれますね!
そして、トラックボール自体を動かさないためにマウスを操作するときにどうしても起きてしまう、マウスを離れた位置から元の位置に戻すときの「カチャッ、ガッ」といったあの音も発生しないです。
もちろんマウスパッドも必要ありません。
カーソルの移動は素早く大胆!
トラックボールのボールは勢いよく転がすと、しばらく回転を続けてくれます。
これが結構楽しいっていうのもあるんですが、なんといってもすごいのが、たった1回の操作で画面の端から端までなんなく移動ができるということ。
トラックパッドやマウスでは、解像度が低い状態では頑張ればいけるかもしれませんが、高解像度になればなるほど普通に使えるような設定では難しくなります。
その点、トラックボールは4Kでも5Kでも大変スムーズに移動してくれます。近年のモニターの高解像度化によって顕著に表れたメリットですね。
案外パソコンを操作しているときって、大抵の人は大まかな操作を必要とするときの方が多いので時間やストレスの解消にもつながるかも?
親指?人差し指?それとも手先で操作する?
トラックボールといっても、操作方法は製品によってまちまち・・・。
大きく分けると、
- 親指でボールを動かすタイプ
- 人差し指でボールを動かすタイプ
- 手先(主に人差し指・中指・薬指)でボールを動かすタイプ
の3つになります。
それぞれ操作感は結構違っていて、とくに上の親指タイプと下の2つは大きく異なります。
同じトラックボールですがお互いにメリットが存在しているので、自分のポインティングデバイスの用途等によって選び分けていきたいですね。
ただ、それぞれの操作に慣れるまで相当な時間がかかるので、自分にあったものを見つけるというのは難しいかもしれません。
不意にカーソルが動くことがなくなる
席を離れる時や、マウスからキーボードへ手を移動させる時にきちんと目的の場所に固定していたカーソルが動いてしまった、なんてことありませんでしたか?
そんな時、またもう1回マウスを操作しなければならないなんて時間のムダですし、面倒くさいですよね。
トラックボールのボールはほんの少しの力でボールが動くことはまれなので、手を移動させてもカーソルは設置した場所に固定されたままです。
デメリット
もちろん、トラックボールにもデメリットは存在します。
やっぱりそれぞれのポインティングデバイスが得意とするカーソルの操作は違うので、不向きな操作ももちろんあるんですよね。
たとえば、マウスだとトラックパッドのように単体で拡大・縮小などのジェスチャーが行えなかったり、絵をかくのはマウスやトラックパッドよりペンタブレットが向いていたりといったかんじです。
ということで私が感じたトラックボールのデメリットを6つ紹介します。(メリットよりもデメリットの方の個数が多いですが、決してデメリットが目立つというわけではありません。)
利用者が少ないから製品が少ない
購入して、実際に操作をしている時にはあまり感じることのないデメリットですが、トラックボールは利用者が少ない分展開されている製品の種類も少ないんですよね。
また、その分新製品の出るサイクルもとても長く、トラックボールを販売しているメーカーによってはトラックボールの新製品がでるのは年単位になっています。
家電量販店とかにいっても、マウスに比べたらほんの少しのスペースしか設けられていません。
正直、デザインに関してもあまり豊富とは言えない状況で、やはりその点が残念です。
メンテナンス性が劣る
トラックボールは、ボールと本体?が物理的に接触して転がっているので、その他のポインティングデバイスに比べてメンテナンス(掃除)を必要とする頻度は圧倒的に多いです。
メンテナンスをせずにそのまま使っていると、ほこりやボールについた汚れによって、ボールの転がりが悪くなってくるなどして操作性が衰えてきてしまいます。
ほこりによる操作性の衰えが、よく気になる人は数日~数週間に1度掃除をすることになると思います。
とはいっても、製品によってまちまちですが大抵のものが数十秒で掃除が終わるので、私はとくに気になるというわけでもないですね。
ドット単位で行うような細かい作業が苦手
人によって「細かい作業はトラックボールよりもマウスだ!」といっていたり、はたまた「細かい作業は腕全体で操作するマウスよりも手先(指)で操作するトラックボールだ!」といっていたり・・・。
なのでこれに関しては、どちらが細かい作業に向いているのか一概にいえることではないのですが、少なくとも私の場合はマウスの方が細かい作業に向いているのかな、と感じました。
ただ、細かい作業といっても色々あるので、大体この作業はマウスの方がいいかも、こっちの作業はトラックボールかな、といった風に感じています。
また、とくにこの点は慣れが大きくかかわってくる部分でもあるので、難しいですよね。
持ち運びには向いていない
Surface Arc Mouseのような薄型のマウスが登場してから久しいですが、トラックボールはボールというものが必要な以上、薄型化というのは難しいです。
正確には、ボール自体をとても小さくしていけばなんとかなるのでしょうが、その分失われる操作性も大きいので薄型化には向いていない製品ですね。
なので、トラックボールを持ち運ぶとなればそれだけで結構なスペースが占領されます。
また、ボールが傷つくと著しく操作性が悪くなるので、そういった意味でも持ち運びには向いていないと思います。
トラックボール単体ではゲームには向いていない
とくに顕著なのが、ゲーマーのマウス使用率。一般的なポインティングデバイスの利用率の比よりも圧倒的にマウスの割合が大きいです。
トラックボールでは、FPSをする時などに要求される「狙った位置にピンポイントで止める」ということに不向きです。
なので、「絵をかくときはペンタブレット、その他ではマウス」、のような感じで使い分けるように、「ゲームをするときはマウス、その他ではトラックボール」といったように使い分けをするのが私はベストだと思っています。
マウスやトラックパッドよりは慣れるまで時間がかかるかも
マウスやトラックパッド、ペンタブレットは今まで使ったことがなくても、比較的直感的にカーソルを操作することができると思います。
パソコンを日常的に使わない人でも、マウスやトラックパッドは難なくつかっている状況からもよくわかるでしょう。
しかし、それらのポインティングデバイスと比べると、トラックボールは操作になれるまでに少し時間がかかってしまいます。
もし、買ってすぐに「自分はトラックボールには向いていないな・・・」なんて思っても、数週間使ってみないと実際はどうなのかわかりません。
さいごに
マウスやトラックパッドといったポインティングデバイスにも引けを取らないトラックボール。
私も、使い始めてからその操作性や便利さからやみつきになりました。
少しでもトラックボールが面白そうだなと思ったら、ぜひ使ってほしいです!